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最終更新日:2020/11/05  
筑波大学 教育課程編成支援システム

01CF214 セキュリティ論考特論

1.0 単位, 1・2 年次, 秋C 集中
甘利 康文, 伊藤 誠

授業概要

本講では、リスク、レジリエンス等の研究領域において、どの分野にも共通する「基本的な考え方」に関する示唆を与える。その目的のために、「セキュリティ」、「安全」、「安心」、そしてこれらを脅かす「リスク」などを対象に、実務家としての観点、概念的観点から論考する。また、その基本的考え方に関係する「オペレーション」、「損失」、「有益」、「人と人との意思伝達」、「技術」、「認識」、「存在」などの概念について論じるほか、「サービス」、「社会」、「世間」などのリスク・レジリエンス研究の成果が適用される先についても、その何たるかについて検討する。さらに、物理的な実体をもたない形而上の存在である上記の対象を、体系的に扱うための「科学」の考え方、さらにその科学の知見を、現に世の中で行われている人々の営為に活かすための「工学」のあり方についても考える。

備考

0AL5303と同一。
1/6/,1/7,1/8
オンライン(オンデマンド型)
対面

授業形態

講義

学位プログラム・コンピテンスとの関係

学位プログラム汎用コンピテンスにおいては「1. 知の活用力」に関連し,学位プログラム専門コンピテンスにおいては「1. 工学基礎力」「2. 基礎理論・関連技術に関する知識」「3. 現実問題に関する知識」「4. 広い視野と俯瞰力」に関連し,研究群コンピテンスにおいて は「1. 研究力」「2. 専門知識」に関連している.

授業の到達目標(学修成果)

「セキュリティ」の本質を理解する。
受講した学生が、その姿が多種多様で千変万化であるセキュリティを科学的に捉えるための基本的な考え方を習得し、様々な文脈で現れる「セキュリティ」を体系的、工学的に扱えるようになること。

キーワード

「オペレーション」, 「損失」, 「有益」, 「人と人との意思伝達」, 「技術」, 「認識」, 「存在」, 「サービス」, 「社会」, 「世間」

授業計画

1)第1,2回 現象学と科学論
セキュリティ、リスク等を考える道具となる以下の理路を概観する。
認識と存在、主観と客観、二元論と現象学、言葉と存在、言葉はなぜ伝わるのか、構造主義、科学とは何か、構造主義科学論、構造構成主義
  
2)第3回 リスクマネジメントの基本的考え方
リスクマネジメントの3要素、クライシスマネジメント、リスク同定は科学的か、「価値」とは何か
  
3)第4回 セキュリティとは何か(意味論)
場所の防犯としてのセキュリティ、防犯の基本的考え方とオープン空間のセキュリティ(防犯環境設計)、メタ観点からのセキュリティ、オペレーションの本質、組織の本質
  
4)第5回 セキュリティとは何か(形式論)
セキュリティへの情報理論の敷衍・適用と課題(セキュリティの数理モデル)、現象学的観点からの被害の確率モデル化、情報エントロピーとセキュリティ
  
5)第6回 世間論(日本の組織における事故抑制に必要な知識)
世間と社会、世間の特質と実事故との関係
  
6)第7,8回 サービスとは何か
サービスの科学はなぜ難しいか、サービスに内在する同一性、欲求の本質、意識の特質、「役に立つ」の本質、技術の本質、価値共創の本質、内サービスと外サービス、「人を動かす」ために
  
7)第9,10回 安心とは何か
レリギオ(広義の宗教概念)と宗教現象学、安心が作られるメカニズム、「科学技術への絶対視」発生の構造、構造再現による安心の実現
  

履修条件

情報理論を学んでおくことが望ましい

成績評価方法

・レポート80%,毎回のシェアリフレクション(授業内容の「自分事」化に関する考察)20%.
総合で6割以上を合格とする

・シェアリフレクションにおいては、授業の際に授業内容を「自分のこと」として捉えるための
ヒント(視点)を示すので、受講者全員で共有する形で提出すること

学修時間の割り当て及び授業外における学修方法

セキュリティを、机上のものとして捉えるのではなく、自分事として考えることが重要であるため、各自の経験に基づいた「セキュリティ」に関するリフレクションを記したレポートを提出する。

教材・参考文献・配付資料等

教科書は使わず、配布する資料に則って進める。
フッサールの現象学(哲学)、シャノンの情報理論の学部の授業を受けたことがない場合、新書等の一般向けの入門書を通読しておくと理解が深まる。
また、今後、各自が概念的存在であるリスク、レジリエンス分野における検討を進めるうえの入門書的テキストとして、次が参考となるだろう。

1. 西條剛央,研究以前のモンダイ, https://www.igaku-shoin.co.jp/paperSeriesDetail.do?id=114
2. 西條剛央,研究以前のモンダイ 看護研究で迷わないための超入門講座, 医学書院(2009)

オフィスアワー等(連絡先含む)

授業後および随時メール( y-amari<at>secom.co.jp )で受付(「<at>」は「@」に置き換えてください。)

甘利 康文

その他(受講生にのぞむことや受講上の注意点等)

セキュリティに限らず、リスク、レジリエンス分野における様々な検討を進めるうえで基盤となりうる科目を目指す。本講義で習得した内容を自分事として捉え、自身の研究に活かせるようになるまで、よく咀嚼することを期待したい。

他の授業科目との関連

ティーチングフェロー(TF)・ティーチングアシスタント(TA)

TA リスク工学専攻博士後期課程3年 Yao Hua