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最終更新日:2021/03/30  

FE13101   無機化学II

3.0 単位, 3 年次, 通年火4
小島 隆彦

授業概要

前半では,ウエルナー型金属錯体の電子構造(配位子場分裂、スペクトル項など),金属錯体の反応(配位子交換反応及びその反応機構,酸化還元反応(電子移動のマーカス理論の初歩を含む),光化学反応)を扱う。後半では,有機金属錯体に関して,18電子則,π逆供与,分子軌道に基づく構造と性質の理解を促し,酸化的付加及び還元的脱離を含む基本的な反応形態について述べた後,代表的な触媒反応及びその機構について言及する。

備考

「無機化学I」を履修していることが望ましい。
その他の実施形態

授業方法

講義

学位プログラム・コンピテンスとの関係

無機・分析化学分野の知識と理解力、応用力

授業の到達目標(学修成果)

ウエルナー型金属錯体の電子構造(配位子場分裂、スペクトル項など)、金属錯体の反応(配位子交換反応及びその反応機構、酸化還元反応(電子移動のマーカス理論の初歩を含む)、光化学反応)に関して理解する。続いて、有機金属錯体に関して、18電子則、π逆供与といった基礎的概念を理解し、酸化的付加及び還元的脱離を含む基本的な反応形態、及びその触媒作用について理解する。

キーワード

遷移金属錯体, 有機金属錯体, 配位子場分裂, 金属錯体の電子構造, 金属錯体の反応, 酸化還元反応

授業計画

第1回 結晶場理論(1)
d軌道、錯体の吸収スペクトル
第2回 結晶場理論(2)
八面体場、低スピンと高スピン、錯体の磁性(スピンオンリーの磁気モーメント)
第3回 結晶場理論(3)
四面体場、分光化学系列、ドナー数、結晶場分裂における金属依存性
第4回 結晶場理論(4)
ヤーン・テラー効果、アーヴィン・ウイリアムス系列
第5回 配位子場理論(1)
σ結合とπ結合、錯体の吸収スペクトル(d-d遷移)
第6回 錯体の吸収スペクトル
電荷移動吸収、選択律と吸収強度
第7回 錯体の吸収スペクトル
スペクトル項、発光
第8回 金属錯体の反応(1)
配位平衡と生成定数、キレート効果、置換活性と置換不活性
第9回 金属錯体の反応(2)
反応機構の分類とそれらの特徴
第10回 平面四角形錯体の配位子置換反応
トランス効果、反応機構、遷移状態理論(アイリングの式)
第11回 八面体錯体の配位子置換反応(1)
アイゲン・ウイルキンス機構、八面体錯体の活性化、鋳型反応
第12回 八面体錯体の配位子置換反応(2)
八面体錯体の活性化、置換反応の立体化学
第13回 金属錯体の酸化還元反応(1)
電子移動反応(内圏反応と外圏反応)、電子移動のマーカス理論
第14回 金属錯体の酸化還元反応(1)
電子移動のマーカス理論
第15回 金属錯体の光化学反応
[Ru(bpy)3]2+ (bpy = 2,2'-ビピリジン)の光化学過程とその応用、金属錯体の光異性化など
第16回 有機金属化学の基礎
Zeise塩、18電子則、18電子則の運用法
第17回 有機金属化学(1)
命名法、カルボニル錯体の赤外吸収スペクトル(π逆供与についての考察)
第18回 有機金属化学(2)
フォスフィン錯体の特徴、ヒドリド及び二水素錯体
第19回 有機金属化学(3)
酸化的付加と還元的脱離、η1−アルキル、アルケニル、アルキニル錯体、η2ーアルケン及びアルキン錯体
第20回 有機金属化学(4)
π配位錯体の軌道韓相互作用(ブタジエン、ベンゼン、シクロペンタジエニルなど)、π−アリル錯体の合成
第21回 有機金属化学(5)
メタロセン、カルベン錯体(シュロック型、フィッシャー型、N-ヘテロ環状カルベン)、アゴスティック相互作用
第22回 有機金属化学(6)
窒素錯体と一酸化窒素錯体
第23回 有機金属化学(7)
金属カルボニル錯体の合成、反応、性質
第24回 有機金属錯体の反応
配位子置換反応、βー水素脱離、1,2−挿入反応、シクロメタル化
第25回 有機金属錯体の触媒作用(1)
触媒について、触媒の分類(均一系と不均一系)と特徴
第26回 有機金属錯体の触媒作用(2)
均一系触媒(1)
アルケンの水素化(ウイルキンソン触媒)、アルケンのヒドロホルミル化
第27回 有機金属錯体の触媒作用(3)
均一系触媒(2)
アルケンの酸化反応(ワッカー法)、オレフィンメタセシス反応(グラブス触媒)
第28回 有機金属錯体の触媒作用(4)
均一系触媒(3)
カップリング反応(鈴木−宮浦反応、ヘック反応)
第29回 有機金属錯体の触媒作用(5)
均一系触媒(4)
不斉酸化反応、アルケンの重合反応(チーグラー・ナッタ触媒、カミンスキー触媒)
第30回 有機金属錯体の触媒作用(6)
不均一系触媒
フィッシャー・トロプッシュ反応、固定化触媒

履修条件

成績評価方法

学期末試験の成績によって評価する。本科目の総合評価は、2回の学期末試験の結果の平均点に基づいて行う。

学修時間の割り当て及び授業外における学修方法

教科書をしっかり読み込むこと。

教材・参考文献・配付資料等

1. 無機化学(下) 第6版

オフィスアワー等(連絡先含む)

その他(受講生にのぞむことや受講上の注意点等)

他の授業科目との関連

ティーチングフェロー(TF)・ティーチングアシスタント(TA)